理想の風景を想い描く

当たり前過ぎるながらも、多くの方々が実は見落としている基本中の基本、それが「万人に共通する片付け完了のお手本風景は存在しない」というシンプルな事実です。各家庭毎の室内の間取り、収納家具やアイテム、片付けるべきアイテムの種類や数などは全て違う以上、とりわけ私達日本人が直ぐに求める傾向が否めぬ「見本」「感性例」が明確に存在するはずもありません。勿論憧れる風景は無数に身の回りに配信あるいは肉眼で確認が叶います。大切なのは私達個人個人が、自身に有効活用出来そうなヒントを見逃さず、それらをアレンジから実践する創意工夫に他なりません。何やら仰々しいイメージに写りますが、片付けは与えられたパーツすなわち室内環境と対象物を全て駆使して描く「アート」とも言い換えられます。

明確な着地点を見据えぬまま、漠然と作業に着手からそれなりに状況を改善するだけでは、程無く元通りとなってしまう可能性が否めません。いわゆる一時凌ぎ的な対処に終わってしまえば、忙しさや疲労感を理由に継続が叶わず、気づけば以前の風景へと一直線です。大切なのは自身が理想とする室内の風景を想い描き、それに近づけて行く作業工程をしっかりと踏む「流れ」です。冒頭で述べた「お手本」を自身の手で先に作り上げておけば、それは皆さん自身にとって確かな「片付け完了状態」に他なりません。